自社の豊富な計算資源と深層学習の知見を活かした創薬技術を開発しています。この技術を用いることで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として有望なリード化合物を京都薬科大学との共同研究で複数発見しました。また、中外製薬とは実験操作の自動化や物性値の予測など、さまざまな創薬研究のプロジェクトを進めています。
生体を構成するさまざまな分子を調べるオミックス解析の分野では、血中のmiRNAによるがんの早期診断技術の研究を行っています。米国では、2018年に設立したPFNと三井物産の合弁会社Preferred Medicine, Inc.が、機械学習を活用した血中miRNA情報による乳がん早期診断技術の臨床研究を米国の医療機関と共同で進めています。
データサイエンスは、数多くの研究分野の集合体であるという側面を持っています。そのため技術や学術研究の動向には注意が必要です。精度高いモデルを作成するためのアルゴリズムや統計処理の手法は海外論文などにも目を通しながら確認する必要があるでしょう。
データ活用にはビジネス課題が重要
国内の企業を見渡してみると、データ活用が上手くいっている企業はまだまだ少ないと感じる。データ活用が上手く進まない理由として、ビジネス課題を抱えている事業側とデータ分析を行う分析側の間でコミュニケーションが取れていないことが考えられる。